鈴鹿セブンス縦走(中核部)は、もう7年ほど前だったろうか? 北部と南部を残しており、特に北部は未知なる魅力を感じていた。GWは東北車中泊旅の予定だったが、ど真ん中の5月1日に大切な予定が入ったので、前半は南信州しらびそ高原3連泊の車中泊キャンプとし、後半は体力を考慮して、3泊4日で鈴鹿北部を縦走するプランに変更。
縦走は少し頑張れば2泊3日にできるかもという淡い期待を持って臨んだ。さて、結末は如何に?
プランニング
昔から、霊仙山と鈴北岳の間が不安だった。縦走者も少なく、水場や体力と照らし合わせて、どこでテン泊するか決定打に欠け、思いあぐね続けていた。
いつものように、ヤマレコの山行計画で、日程を考えた。どう見ても、私の体力では、2泊は無理そうだ。プランは3泊とし、本来なら水場を第一優先に決定するのだが、不足すれば途中給水できる場所だけを確認しておいた。
何度も迷ったのが、霊仙山をどのルートで下降するか? ヤマレコの山行記録を数本読んだが、トレランの人のコースが良さそうなのだが、時間が参考にならないので困った。とりあえず、霊仙山最高点を降りた八合目分岐での時間次第とした。決め手は、明るいうちにテントを晴れるかどうかとした。
仮に上記のプラン通りに進行した場合、2泊目の真の谷出合いに明るいうちにたどり着けるか? もし達成すれば、2泊で縦走できることになり、連休も2日残ることになる。こんなラフなプランを作り、現地ではヤマレコアプリで地図と現在地を確認しながら、道迷いしないように心がけることにした。
警察への申告は、ヤマレコメールで岐阜県警に、専用メールで三重県警に、現地の登山口(滋賀県)に、それぞれ登山届けを提出した。
プランの概要(ヤマレコ)
【当初プラン】
25時間32分、41.1km
登り3580m
下り3590m
【現地変更プラン】
24時間53分
40.5km
登り3470m
下り3497m
※2日目の御池岳をパスしたため(明るいうちにテントが張れなくなる、12時間近く歩いていてリミットオーバー、御池岳周辺の天空の楽園が良すぎてベスパ(妻)を連れて行ってあげたいなどの理由による)
実際の山行
【1日目】9時間10分
8時30分JR柏原駅発、17時40分五僧峠着
【2日目】12時間30分
5時50分発五僧峠、18時20分真の谷着
【3日目】5時間50分
5時50分真の谷発、11時40分西藤原駅着
合計/27時間30分
2時間37分標準タイムよりオーバー。こんなもんだろう。2日目と3日目は特に暑くてバテバテ。
縦走後の感想
◯三国岳付近までは、誰一人出会わなかった。熊鈴を付けていたので、熊さんとも出会わなかった。広葉樹に囲まれた稜線は静かで快適だった。
◯稜線を忠実にトレースし、ピンクや赤色のテープを見失わなければ、道迷いすることはない。
◯台高山脈よりも細尾根が多いような気がします。
◯2日目が肝。4箇所ほど急登激下りに少し手こずった。これまでの経験により、大きなアップダウンや小さなアップダウンにも少しも動揺することはなく、淡々とマイペースで登れた。
◯一番苦労したのは、登山道から外れて渓流沿いに真の谷まで下る道。災害により道が消失しているとの看板あり。他に適当な道がないのでやむなく渓流の中(途中まで水なし)を延々と歩くことにした。暗かったら無理だったろうと推測する。真の谷の広場に出たときはホッとした。
◯鈴ヶ岳は往復1時間。周りにはたくさん人がいるのに鈴ヶ岳で出会う人はいなかった。アップダウンがあるからか? 見た目の印象と違って、登りやすい山だった。バイケイソウの咲く季節には最高だろう。
◯一番印象的だったのは天狗岩からの山並み。天狗岩は、藤原岳最高点だとか。三国岳もそうだった。なぜ?
◯鈴北岳から御池岳までの天空の楽園、鹿さんたちが楽しそうに走り回っていた。
◯鈴北岳から下降し始めた頃、穴熊に出会う。さらに、藤原岳からの下降では、雄通しの雌を巡るバトルとその後の交尾を間近で見た。
◯2泊とも日没間近だったので、テン場でゆっくりできていない。どちらも私だけだった。テキパキとこなし、就寝は早かった。両日とも、気温が低く、3シーズン用シュラフ+防寒着だけでは寒かった。
◯鞍掛峠前後から後は人が多過ぎた。
◯一番気にかかっていたのは、足の疲労。今回は、太腿が痙攣しそうな予兆があったので、早目に芍薬甘草湯を服用した以外は、いつものケアで事なきを得た。
写真
登山後のメンテ
靴(タホーの革)、シュラフ(finetrack化繊)、防寒着(patagonia化繊)、ザックなどの洗えるものは全て洗い、シェルターテントを乾かし、食器類も洗う。特に、靴は何工程もあるので結構面倒。だいぶ慣れてきた。
昔は面倒で手抜きがちだったが、今はメンテこそ大切だと思えるようになった。
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