車中泊してくるま旅をする際のお楽しみといえば、「地酒」 「グルメ(海鮮丼)」 「温泉」 「ジオパーク、絶景」などがある。今回は、「地酒」について解説する。
定年退職後に、本格的にキャンピングカーでくるま旅して6年目に入りましたが、飲んだ地酒の本数は、大台に乗ったでしょうか?
地酒とは
その土地のお米や水などを使って作られる清酒、と思っているが、正式な定義は知らない。お酒を作る酒蔵の作り方によって個性が生まれ、その土地ならではのお酒がたくさんあるほど、その土地を訪れる楽しみも増える。単に、道の駅などで購入するだけではなく、酒蔵にも足を運んでお話を聞く意義もそこにある。
日本酒は、他のお酒と比べてもあいまいな部分が多く、その名前からして確固たる定義がないのが特徴です。「清酒」というのは、法律における日本酒の正式名称ですが、同時に「日本酒」と表示しても良いことになっていますので、清酒=日本酒と考えて問題ありません。「地酒」に関しても明確な定義が確立されているわけではありませんが、地酒はその名前が示す通り、特定の「地」で生まれた「酒」全般のこと。全国規模で流通している大手メーカーの日本酒や、古くから日本酒の主産地だった兵庫県の灘や京都府の伏見以外で造られた日本酒を除いて、特定の地域でつくられる日本酒のことを広く地酒と呼んでいます。
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日本酒は水によって生産地が決まる
日本酒に詳しくないので、引用ばっかりになりますが、ご容赦くださいませ。この引用は、私も興味を持っている「美食地質学入門(巽好幸)」を参考に作成されています。
ここからが地質学に関わってくるところです。日本酒は「米」と「水」が主な原材料ですが「水によって日本酒の生産地が決まる」といっても過言ではありません。それでは、どのような性質の「水」がお酒には必要なのでしょうか?
⑴鉄分は日本酒の天敵
日本酒は麹菌がお米のデンプンを糖化(ブドウ糖に変換すること)することで作られますが、麹菌による糖化の作用を阻害するのが鉄分。したがって日本酒作りは鉄分を含まない水が採水できる場所で行われます。日本列島含む東アジア東縁部は、海洋プレートの沈み込みによって生成された花崗岩が多く、概ね日本酒作りに適したエリア。日本列島も地表の10%以上が花崗岩。というのも、花崗岩は鉄分が乏しく比較的カリウムを多く含む岩石なので、日本酒作りに最適なのです。なおカリウムは酵母菌の活動を促進する作用があるため花崗岩から生み出される水は、より日本酒作りにピッタリ。具体的には、背後に花崗岩系の山が控えている兵庫県神戸市・西宮市の「灘」、新潟県の長岡・魚沼、広島県の西条など。ただし、京都の伏見は花崗岩質が多くない地域ですが、代わりに背後の丘陵地隊が「チャート」と呼ばれる岩石の地層で鉄分をほとんど含んでいない地層なので、伏見の水も「御香水」と言われ、日本酒に最適な水。
⑵水の硬度によって左右される発酵速度
水にカルシウムがどれだけ水に含まれているか、つまり水の硬度がどの程度か、によって日本酒の発酵速度が左右されます。カルシウムが多ければ多いほど麹菌の働きが活性化すると言われているため、カルシウムの濃度が高い=硬度が高いと効率的にお酒の製造ができるということ。例えば、日本酒の国内出荷量の24%(2020年時点)を占める日本最大の日本酒生産地「灘」の水=「宮水(西宮の水の略)」は、中硬水なので、効率的に大量にお酒を製造することが可能。六甲山系の伏流水が山麓の砂層を流れる間に、この地層に含まれる貝殻(=主成分は炭酸カルシウム)の成分を溶かし込むのが要因らしい。一般に硬度が高い水(硬水)を使ったお酒は発酵速度が速いので、キリッとした辛口(=男酒という)になりやすく、硬度が低い水(軟水)を使ったお酒は、発酵速度が遅いので、まろやかな味(=女酒という)になるといいます。本書は言及していませんが、それでは広島県の西条の水は発酵の働きが難しい「軟水」なのに、なぜ日本酒生産が盛んなのでしょう。なぜなら1876年(明治9年)に、軟水でも安定した酒造りが可能な醸造法を広島県三津村(現在の東広島市安芸津町三津)の酒造家、三浦仙三郎が発明したからだそう。軟水醸造法では、ゆっくりと発酵が進む軟水の特徴を逆手に取った酒造法で、硬水のキリッとした辛口のお酒とは異なる、まろやかな旨みのある日本酒の製造に成功(広島食道より)。
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地域ごとの味の特徴
次も引用です。銘柄もたくさんあるので、現地で選ぶのが楽しくもあり大変でもあり。
日本では北から南まで全国に酒蔵があり、地域の特性や気候、杜氏(とうじ※酒造りを行う人)によって味に個性が生まれています。一般的には、寒い地域では辛口、暖かい地域では甘口の地酒が多いのが特徴。もちろん酒蔵や銘柄による違いもありますが、地域ごとの味の特徴や料理との相性を知っておくことで、地酒選びがもっと面白くなります。
北海道
地酒造りの歴史は浅いものの、寒冷な気候が酒造りに適した土地。北海道の新鮮な海の幸ともよく合う淡麗辛口が特徴です。
東北
お米作りが盛んで、酒米の開発にも力を入れてきた地域。秋田、宮城、山形、福島は淡麗辛口、青森はすっきりとした淡麗甘口が中心。日本三大杜氏のひとつ「南部杜氏」の技を受け継ぐ岩手は濃醇甘口が特徴で、冬の厳しい寒さを和らげる「熱燗」での飲み方もオススメです。
関東
気候が酒造りに適していないため蔵元の数は多くありませんが、現在は豊富な水源を活かした高品質の日本酒が生み出されています。群馬、栃木、東京は淡麗甘口、それ以外は淡麗辛口が特徴です。
中部
新潟を中心に日本海側は、良い酒造りの条件である気候、米、水の三拍子が揃い、吟醸酒や純米酒などの高級酒を数多く生産する銘醸地。豊富な魚介類に合わせた淡麗辛口が主流です。石川、長野、愛知は濃醇甘口、富山は濃醇辛口です。
近畿
日本を代表する二大銘醸地のある近畿地方。一つ目は、有名な酒米「山田錦」の産地である兵庫県灘地区で、豊潤辛口の力強い味わいから「男酒」と呼ばれています。一方で「女酒」と呼ばれるのが、もう一つの銘醸地である京都伏見。名水で知られ、まろやかで口当たりのいい味わいが特徴です。近畿全体では京都を中心に濃醇甘口が主流ですが、大阪は味の濃い料理にも負けない淡麗辛口です。
中国
軟水による醸造法を生み出した広島県のある中部地方は、軟水を使用した口当たりの柔らかな甘口が主流で、お魚や味の濃い食べ物に相性がいいのが特徴。神話の中で神々が酒宴を開いた話が登場する島根や、地酒を代表する「獺祭(だっさい)」を生み出した山口など、豊かな自然のもと高品質のお酒が数多く造られています。
四国
水質の良い四万十川や仁淀川が流れる豊かな土地。昔から酒好きが多いと言われている高知では辛口が好まれる一方で、瀬戸内海側の香川、徳島、愛媛では、白身魚を中心とした淡白な食文化にあう口当たりの優しい甘口が主流です。
九州・沖縄
焼酎文化の深い九州・沖縄地方ですが、九州北部は冬場の気温が低く、日本酒造りにも適した風土。特に福岡は酒米「山田錦」の有数な産地で、豊かな水源を利用した高品質な酒造りが行われています。福岡と沖縄は淡麗辛口ですが、それ以外の県では甘口が主流です。
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地酒の求め方
道の駅、地域の酒屋、酒蔵を中心に買い求めます。道の駅以外では、試飲できたり、お店の方にお話を聞ける機会が多いので、勉強になります。Googleマップの他には、下記のサイトを参考にしています。
◯国税庁の酒造等マップ
◯酒蔵検索
◯日本酒ランキング
人気のある銘柄になると、予約とかネット販売のみとか、買い方に制約があったり、値段が高騰したり、手軽に家飲み・くるま飲みできにくくなっているのが残念ですね。
北海道から九州まで、密度の違いはありますが、5年間キャンピングカーで走り回っては、かなりの種類の地酒を飲み続けているので、好きな傾向も少しわかってきました。
◯純米酒
◯無濾過生原酒、生酒
私よりもベスパ(妻)の方が舌が肥えているので、試飲はお任せ、いつも感想を聞きますが、どうも火入れした山廃系、日本酒らしい日本酒?がお好きなようです。私もベスパも香りや甘さを感じる吟醸系は好みではありません。簡単に言うと、飲んで美味しかったら、それが良いという派で、製造方法は関係ありません。どこでも試飲して購入できればいいんですけどね!
時間に余裕がある時には、できるだけ酒蔵に立ち寄ることにしています。工場見学できたり、酒蔵ならではのランチを食べられるところもあります。ワインも好きなので、ワイナリーにも行きます。こちらは、お洒落なレストランを併設しているところが多くて、つい長居するので困ったものです。
自宅で家飲みするときには、近くのスーパーで買える「諏訪の真澄(樽酒、純米)」や「愛媛の石鎚」、和歌山にアジングに行った帰りに立ち寄る「黒牛」などを購入しています。
記憶をたどる
きちんと整理しておけば、貴重な財産となっているはずなのに、飲んでばかりでお腹の肥やしにしかなっていません。記憶をたどり、元祖【野遊び2nd】ブログから、何枚か写真を引用してみました。
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