前回、初めて車中泊される方には、季節の良い春秋から、最低限の準備をして、エチケットを守って、とりあえず行ってみよう! という記事を書きました。
今回は、来る夏に向けて、心の準備していくために、「始め方(夏バージョン)」をご紹介します。夏は、特別な配慮や対策が必要になります。ガチに暑さに立ち向かっていくやり方、日本らしく、しなやかに対処していくやり方など、費用面も考慮しながら、乗り切っていくすべを事例を交えながら考えてみたいと思います。
私の大苦戦。熱帯夜の下呂温泉。この記憶は忘れられません。
夏は、「キャンプやで~!」、車中泊なんかやってられへん! その通りです。熱せられた灼熱のボディに包まれて眠るより、薄いシート1枚だけに守られて、ひんやりとした夏の涼気に包まれたほうが良いに決まってます。そんなくるま旅も良いものですよ!
車中泊とキャンプの融合した「carcamping」については、今後ご紹介したいと思います。
くるま旅の体系
私の理想
日本の夏は暑くて湿気が多く、熱帯夜が辛い。そのうえ、蚊が多い。特に、昨年は、国連事務総長の「地球沸騰時代に突入」という発言に象徴されるように、過去最高の記録更新と今後の地球温暖化による酷暑が懸念されます。
一般家庭では、「(家庭用)エアコン」一択、車でも理想は、「エアコンの設置」で疑う余地はありません。ただし、車の場合は、限られた空間で、しかも家庭用エアコンや車載用12Vエアコンエアコンの設置には、広さと費用が必要となり、限られたケースでの導入となっています。一点集中でコストをかけることも有望な方法だと思います。
私は、これまで3台のキャンピングカーを乗り継いでいます。お金に限りがあり、エアコンの設置はできなかったため、暑さ対策は、網戸を設置して通気を確保すること、ポータブルクーラーを何機種か試してみることを実行してきました。何とか凌げることもありましたが、やはりエアコンほどの実力はなく、最終的には避暑高地に出掛けるしか方法は見つかっていません。
口コミやブログ、YouTubeなどをいろいろ調べて見ましたが、皆さんもほぼ同じような道を進まれているようで、その工夫には頭が下がる思いです。エアコン設置を除くと、暑さ対策には、正解がありません。
当然、人によっては、暑さに強い・弱いがありますし、車を利用される人の人数や構成、お住まいの地域、お出かけする地域、持っている車の種類、天候、投資できるお金などによって、対応は変わってくる場合があります。
暑さ対策の基本
限度を超えた日本の夏は、どんな人でも日中車内で過ごすことは、たとえエアコンを設置しても厳しいかもしれません。当たり前のことですが、「熱中症予防情報」が出されている時には、外出を自粛することです。たとえ高地でも30℃を超えることは日常となっています。熱帯夜も同様ですね。
普通車等にエアコン設置は難しいですが(一部、コンパクトなものを取り付ける事例はあります)、キャンピングカーなど車中泊を前提にした車には今後標準仕様となるか、あるいは、普及によってかなりのコストダウンに繋がり、料金抵抗は低くなるかもしれません。
昔から、日本の夏は、昼寝、行動の自粛、緑陰の利用、涼やかな風を呼び込むなど、自然を上手く活用することで暑さに対処してきました。まずは、エアコンの有無を問わず、実直にこの「暑さを凌ぐ」方法を実践することが大前提なような気がします。
具体的に、車に当てはめて考えると、
・日中暑いときには、エアコンの効いた場所、洞窟や高地など自然の涼しい場所などで過ごす。
・日中は、車はできるだけ日陰で、舗装路ではない場所に駐車する。できれば、窓を少し開けて通風を確保する。車を離れるときには、サンシェードなどで窓ガラスを覆って、車内温度の上昇を抑える。
・日没後、車を網戸にして通風を確保しつつ蓄熱を放出する。
・夜になって外気温が下がってきたら、内気を放出し外気を積極的に室内に取り入れる。
・網戸の場合は、防犯に注意。
・冷寒接触素材の寝具(敷きマット、タオルケット)を使う。言わずとしれた、ニトリ製品に重宝しています。
・水分補給と塩分補給。車だけではありません。
・蚊対策。ワンプッシュ式が便利。
通気(空気循環)と防犯。両立のためには、泊地の選定、鍵の設置など工夫が必要です。私の場合は、キャンプ場なら、ほぼ全開放、道の駅等仮眠の場合は、小窓とルーフベントの利用、バックドアを少し開放して網戸と専用鍵ロック併用で過ごしている。
暑さは人によって感じ方が違います。暑さの実状を知り、暑さ対策をしたら客観的に数値で効果を確認するなどを習慣化できれば、暑さの可視化ができるので、温度湿度計などを常置しておくのもいいと思います。
気候・泊地
気温の目安
・車内の快適上限温度:28℃(冷房を導入する際の目標値になります)。一般的に、夏場快適に寝られる気温は25℃~27℃程度と言われています。
・外気温は熱帯夜以下:25℃(これ以上になると、車中泊禁止ですね)
・熱中症警戒アラート(暑さ指数が31以上)「危険」(出典:環境省) ※気温、湿度、輻射熱の3要素、特に湿度の比重を高く設定。
標高の目安
・2000m:地上気温ー12℃ ・1000m:地上気温ー6℃
【奈良県】 ・天川村 700m、野迫川村 700m、高野山 800m、葛城高原 950m ・道の駅ごまさんスカイタワー 1200m ・大台ケ原駐車場 1500m 【近畿】 ・生石高原 850mm、ハチ高原 900m、砥峰高原 900m ・伊吹山山頂駐車場 1500m 【中部】 ・道の駅信州平谷 900m、道の駅こぶちざわ 990m ・陣馬形山キャンプ場 1400m ・道の駅美ヶ原 1900m
国土地理院地図を睨みながら、避暑適地をリストアップしています。上記の泊地は一例です。ご自分で探すといろんな発見があって面白いですよ。日頃から、時間のある時にポチっておくといざという時の対応が迅速になります。単に、標高だけでなく、温泉・グルメ・観光・アクティビティなども考慮して選定してください。
泊地につても、今後ご紹介したいと思います。
まずは、網戸と換気扇から
通風を確保する方法は、どんな車においても、「網戸と換気扇」です。さらに、夜になると、蚊に悩まされないよう網戸は必須アイテムですね。
キャンピングカー以外の一般車でも、それぞれにあった網戸(防虫ネット)が販売されています。また、PC用のファンをDIYして換気扇を作られている事例も多く見受けられます。一度調べてみてください。吸排気のためには2個所網戸にする必要があります。効果は限定的かもしれませんが、特別に暑い日でなければ、結構快適に過ごせるでしょう。
【元祖】野遊び2ndに、私のハイエースキャンピングカーの網戸とマックスファンを使った事例を解説しています。ハイエースの小窓にジャストフィットの換気扇もありますが、私は、お安いもので代用しました。ハイエースキャンピングカーの網戸(小窓、サイド、バック)は、前回記事でも紹介しています。
Dorimo(キャンピングカー情報サイト)にも、キャンピングカーの換気扇マックスファンを活用した通風の記事が掲載されています。
◯マックスファンの使い方 ◯扇風機との併用
次回 応用編で
それ以上の冷房を望むなら、求めるグレードによって、ポータブルクーラーやエアコンの導入を考えてみましょう。キャンピングカーの場合は、お金さえ許せば、一気にエアコンを導入するのが近道のように思います。これらについては、次回、応用編で、装備、衣類、車両点検などについてご紹介します。
ワンコ(昨年末死去)が居た頃は、暑さ対策に大変苦労しました。また、機会があれば、ご紹介できるかもしれません。
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